いつの時代も、子育ては、女性にとっての悩みのタネ。ネット上の悩み相談掲示板を見ても、子育て関連の投稿はかなり多い。そこで、編集部に読者から寄せられた子育てに関する悩みに、川崎医療福祉大学医療福祉学部特任教授で、子供への接し方を優しく説いた著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)がロングセラーとなっている児童精神科医の佐々木正美さんが答える。
「共働きのため、8か月の息子を保育園に預けています」と話すのは東京都在住のMさん(34才)。
「先日、いつものように息子を預けて出勤。ところが、保育園から、息子が熱を出したので迎えにきてほしいと言われたんです。仕方がないので実家の母に連絡し、代わりに迎えに行ってもらえないかと頼んだんです。そうしたら、『大体ね…』と始まって」
いわく、「0才から人に預けるなんてかわいそう、3才までは母親が育てるべきでしょう」「病気のときですら迎えに行けないなら、仕事なんて辞めなさい」と長々とお説教をされたのだとか。
Mさんは「母は、専業主婦で働いたことがないから、再就職がどれほど大変かわかっていないんです」と悩みを打ち明けた。
Mさんのように子育て観の違いから、自分の母親世代と意見が衝突するケースは多いと、佐々木正美さんは言う。
「時代や社会が変われば、子育ても変わるもの。世代間ギャップはあって当然です。どちらがいい悪いとは言えませんが、かつての子育てが今の時代に合っていない場合もあります。今回のケースで、保育園に預けるのは、子供にとっても良い選択。子供は早いうちから、母親だけでなく、さまざまな人間関係の中に置いた方が、コミュニケーション能力を養う上で望ましいんです」(佐々木さん)
※女性セブン2014年11月20日号