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鬼怒川河川敷に犬70匹の死骸 ブリーダーによる事件と警察見る

 10月31日の未明、栃木県芦沼町を流れる鬼怒川河川敷の南端で40匹の犬の死骸が見つかった。トイプードルや、ミニチュアダックスなど人気小型犬の純血種ばかりで、いずれも、死後間もないものと見られている。

「現在、栃木県警が30人態勢で捜査していますが、死骸には目立った外傷がなく、死因も特定されていません。目撃情報も少なく、捜査は難航しています」(全国紙記者)

 そして、1週間後の11月6日、この河川敷から西に15km、同県那珂川町の林道脇の崖下で、今度は27匹の犬の死骸が発見された。同じように、ミニチュアダックス、トイプードルなど小型犬の純血種だった。

 わずか1週間で、約70匹の人気犬の死骸が見つかるという凄惨な事件。2か所の死骸には共通点が複数あった。

「推定年齢は5~10才で、ほとんどが避妊や去勢手術を受けていない成犬だったんです。どの犬もやせ細り、爪も伸び放題でした。運動もできないような狭いケージの中に閉じ込められて、生前は悲惨な環境で過ごしていたと思われます」(捜査関係者)

 地元のペットショップ店員が語る。

「警察が聞き込みに来ましたが、どうやらブリーダー(繁殖業者)の犯行だと見ているようです。小型犬は出産を重ねると1回に産む頭数が少なくなる傾向があり、ブリーダーにとっては飼育費用がかかって負担になる。それで、養いきれない犬を薬物で殺処分し、山などに捨てる悪質業者が、今本当に多いんですよ。今回の事件も、その線だろうということでした」

 実際、ブリーダーによる犬の虐待事件は、昨今ペット業界で大問題になっている。2006年には山形県のブリーダーが抱えきれなくなった犬30匹を犬舎で餓死させ、2009年には兵庫県尼崎市のブリーダーが犬200匹を違法飼育し、売れ残った犬を全て殺処分していたという痛ましい事件が起きている。

 日本は届け出を出すだけで誰でもブリーダーになれるので、モラルの欠如した業者が生まれることを防ぐ術がない。鬼畜の所業が、今日も日本のどこかで起きている──。

※女性セブン2014年11月27日号

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