最近話題になるインターネット上のデマ。芸能人の美談デマも多く掲載されている。こうしたネット上に流れる芸能人の美談を信じる人も多い。
例えば、「フライデー編集部襲撃事件(1986年)後に、ライバルであるはずの志村けん(64才)が謹慎中のビートたけし(67才)の家族やたけし軍団の生活費を工面していた」、「カンニング竹山(43才)が相方の死後も『カンニング』の芸名を捨てないのは、相方の遺族とギャラを折半するため」、「江頭2:50(49才)は10年前に病気の少女を励ますために毎日公園でネタを披露。少女の死後も月に1度のペースで続けている」などがある。
いずれも本人または所属事務所が否定している。誰がどのような目的で創作したのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎さんはこのように語る。
「自作のエピソードをあたかも実話のようにネットで披露し、多くの反響を得ることで満足する『釣り師』がいます。感動する話に弱い一般大衆がフェイスブックなどで『いいね!』を押し、あたかも真実であるかのように広がってしまうのです」
これらの情報はすべてデマだが、ネット上でまことしやかにささやかれてきた。なぜこれほどまでに「デマ信者」が多くなってしまったのか。評論家の呉智英さんは、「インターネットに“レフェリー”が存在しないことが問題」だと指摘する。
「新聞やテレビなど旧来のメディアは記者が情報を精査しますが、それでも誤報がある。ましてやインターネット上ではそのようなシステムは存在しない。誤った情報でも、昔は少人数の井戸端会議で済んでいたことが、今はあっという間に1億人以上が知ることになる。デマが公的な言論になるのです。ネット上の情報は整理され、精査されてはじめて『知識』になる。今の日本人はそこに気がつかなければなりません」
デマに流されないために、出典や根拠を確認する癖をつけたい。
※女性セブン2014年11月27日号