「自分にとって、DA PUMPとは何か…なかなかことばでは言い表せないけれど…。“人生”ですかね」
音楽番組の収録で3年半ぶりの新曲を披露したISSA(35才)に問いかけると、しばらく沈黙した後に、噛み締めるようにこう語った。
1997年に沖縄出身の4人組としてデビューした「DA PUMP」。『Feeli’n Good~It’s PARADISE~』を皮切りにヒットを連発し、5年連続で紅白に出場。ダンス&ボーカルユニットとして華々しく一時代を築いたが、脱退が相次ぎ、オリジナルメンバーは現在ISSAのみに。ダンサー6名を加えた7人組として、生まれ変わった。
だが、その矢先にISSAの女性問題で活動を自粛。音楽シーンから遠ざかることを余儀なくされてしまった。
「DA PUMPが7人ということすら、世間に知られていない」
そんな焦燥やもどかしさを抱え、彼らはひとつの決断に至る。今の自分たちを知ってもらうには、生でパフォーマンスをみてもらうしかない…。
そこで今年2月から、イオンなど全国15か所のショッピングモールでツアーを敢行。ファンと身近に触れ合う地道な活動が実り、先月新曲の発表にこぎつけた。プロデューサーのm.c.A・Tとの黄金タッグも健在。『New Position』のタイトルが、彼らの心意気を象徴して
いる。
「自分たちを支え、守ってくれる人たちのおかげで、またこうしてできることが本当に嬉しい。歌詞のtogetherには、“自分以外のみんなと”の気持ちを込めて歌っています」(ISSA)
待ち焦がれた新曲のお披露目に7人が選んだのは、モールのステージ。9月某日、神奈川県のたまプラーザテラスでミニライブと握手会を行った。
「気合入れていくぞぉーーー!!」
「ぅぅおーーーーっっ!!」
ライブ前の円陣は、たじろぐほどの気迫に満ちていた。円形ステージでは全方位へ目を配り、モールツアーで確かな収穫を得たことを感じさせる。
ファンの声援を受け、アンコールを含めて新曲を2回歌いあげると、涙をにじませ感謝を語ったISSA。全員で考えた振り付けには、7人の決意や絆が込められた円陣のシーンがある。
「円陣を組むことは迷いなく全員の即決でした。そのままソロへいくんですが、主役は毎回違うんです。その場の雰囲気で決めます。そのくらいノリの中でできる。ダンスのジャンルも曲ごとに変えて、曲の世界観を体現しています」(U-YEAH)
各人が世界で活躍するなど、ポテンシャルの高い彼らだからこそできるのだろう。ようやくかなった再始動。次なる一手は、「すべてにおいて、止まらないこと」と、声をそろえる。
「本物を追求して、面白くないダンスをぶっ潰していきたい」(KENZO)
この先、彼らはどう“New Position”を塗り替えていくのだろうか――
※女性セブン2014年11月27日号