NHKの朝ドラ『マッサン』の人気に触発されて、ウイスキーに脚光が集まっている。そこでウイスキーを楽しむためのトリビアを紹介しよう。
■ウイスキーはペリー提督が日本に持ちこんだ
ウイスキーは1853年6月23日、アメリカ合衆国東インド艦隊によって、最初に沖縄に伝えられたとされる。ペリー提督が琉球王国の高官・尚宏勲(シャン・ハンヒュン)を旗艦サスケハナ号の晩餐会に招待し、スコットランド産とアメリカ産のウイスキーを饗したと『ペルリ提督日本遠征記』に記されている。
武士もウイスキーを飲んだ。同書にはその2週間後、浦賀沖に停泊した際、浦賀奉行所の与力・香山栄左衛門に歓待のためにウイスキーを出したとある。
■ニッカウヰスキーはなぜ“ヰ”なのか?
もともと日本では、ウイスキーは「ウヰスキー」と書かれることが多かった(ヰの正確な発音は「ウィ」に近い)。ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏は、ウイスキーは水が命なのでヰではなく、井戸の井を使おうと考え、1952年に社名を当時の「大日本果汁」から「ニッカウ井スキー」で登記申請した。だが当時は漢字とカナを混ぜて登録できなかったため、やむなくカタカナの「ヰ」を使い、「ニッカウヰスキー」となったといわれる。
■元々は無色透明だった
18世紀初めにイングランドがスコットランドを併合、財源確保のためスコットランドに対し高額の酒税を課した。そこでスコットランドの農民は脱税のため、身近にあったシェリー酒の空樽に密造ウイスキーを詰めて山奥に隠した。しばらくして農民たちが樽をあけると、元々は透明だったウイスキーが琥珀色に変わっていた。味も香りも格段に良くなっていたので、現在ではシェリー樽などで熟成(マリッジ)させた琥珀色のウイスキーが一般的になったといわれている。
※週刊ポスト2014年11月28日号