中国の食品の危険性はよく知られているが、北京では11月中旬、6種類もの有害な化学薬品を使用した促成栽培のモヤシが毎日2000キログラムも販売されていたことが分かった。そのモヤシを食べた人が腹痛を訴えたため発覚したが、すでに警察当局が栽培業者を逮捕し、営業停止処分にしている。北京紙「京華時報」が報じた。
ことの発端は、北京市内のレストランで、客が腹痛を訴えたことだ。店主が原因を突き詰めていったところ、市内の業者から仕入れているモヤシが通常の2倍も長く、しかも漂泊したように真っ白い色だったため、「モヤシが怪しい」と疑い、その業者からは仕入れを中止した。
その後、腹痛を訴える客がいなかったため、店主は「やはり腹痛の原因はモヤシだ」として、警察に訴えた。
警察が業者のモヤシ農園を家宅捜索すると、漂白剤として用いる亜ジチオン酸ナトリウムや、促成栽培用に用いる有害な化学薬品など6種類もの化学薬品や農薬が見つかった。これらの化学薬品を入れた水溶液でモヤシを栽培していたという。
この業者は通常ならば1週間前後かかる栽培時間をほぼ3日間で促成栽培し、毎日2000キログラムを生産していた。
中国野菜の危険性はしばしば指摘されているが、値段が安いのが魅力で、日本の大手飲食チェーン店も使用していることが分かっている。学校給食にも一時使われており、2006年には福岡市内の小学校118校、計6万1048人の学校給食に使用された中国産の冷凍キヌサヤから、食品衛生法で定められた基準値の約6倍の残留農薬が検出されており、大きな問題となった。
また、ロシア極東のクラスノダール地区では昨年7月、ロシアでは使用禁止の化学薬品を使って野菜を栽培していたとして、警察当局は中国人が経営する農園で働いていた中国人労働者17人を逮捕する事件が起きている。
クラスノダール地区政府はこの問題を重視し、今年の中国人労働者の受け入れを中止している。