本来、若者の手本であるはずの高齢者が、若者から眉をひそめられてしまう事例が相次いでいる。「主張」がエスカレートして、単なる「文句ばかりいう年寄り」になっているケースもある。
都内の家電量販店ではこんな事例があった。孫に野球ゲームを買い与えた高齢男性。ところが孫はうまく操作できず、友達にホームランを次々打たれてしまって、見ていられないほどかわいそうだ、という“クレーム”を入れてきた。
初めは若い店員が対応していたが、埒が明かずフロアのリーダーにバトンタッチ。そうした理由では返品もできないし対応もできないというと、「そういうことじゃない。仕事とはどういうものか知っているか。君たちは若いからわからないかもしれないが、サービス業とは、客の気持ちに寄り添ってどうすればいいかを考えるものだ」と説教になり、それは延々と続いた。
「仕事とはこうだ」「客商売とはこうあるべきだ」というのが、一部の高齢者の常套句になっている。アミューズメント施設に勤務する30代女性が語る。
「70代と思われる男性から、『うちの孫は半年前から貯金して、ようやくおたくの遊園地に遊びに来ることができた。それなのに雨が降ってアトラクションに乗ることができない。どうしてくれるんだ』というのです。『その分、なにかしら別のサービスを考えて客を楽しませるのが君たちの仕事だろう』と……」
※週刊ポスト2014年12月12日号