昭和のラブホテルの象徴といえば、鏡張りの部屋で愛し合う男女を乗せて回る「回転ベッド」である。回転ベッドの全盛期は1974年頃。現在も営業する有名ラブホ「目黒エンペラー」が導入して全国に広がったといわれている。
しかし、1984年の風営法改正で、回転ベッドや1平方メートル以上の鏡などがある施設は「ラブホテル」(店舗型性風俗特殊営業)と定義され、18歳未満の利用や、学校や公園、病院周辺での営業が禁止された。
風営法を管轄する警察の監督下に入ることを嫌った経営者の大半は、回転ベッドや鏡を撤去し、旅館業法(厚労省管轄)上の「旅館」として届け出た。
その後、実質的にはラブホテルなのに一般ホテルと装う「偽装ラブホテル」が横行したため、2011年の風営法改正でラブホテルの定義が拡大され、多くのホテルがラブホテルにくら替えした。
今も回転ベッドがあるラブホテルでは、警察の指導に基づいて使用されている。
※週刊ポスト2014年12月19日号