日本国内で、花王の紙おむつ『メリーズ』を買占めの対象とする、中国人転売ヤーが存在する。彼らはこれだけ大量の商品をどのように入手し、どのように捌いているのか。転売ビジネスを手がける中国人ブローカーが手口を明かす。
「商品を購入する実働部隊は、中国人向けのフリーペーパーやネットで求人します。働いているのは主に留学生。紙おむつについては個数制限をしている店が多いので、アルバイトがワンボックスカー数台に分乗し、郊外のドラッグストアなどを1日中回って買い集めています。アルバイトの日当は1人8000~1万円が相場。紙おむつ1パックの店頭価格(1500円前後)に200~300円を上乗せして買い取る場合もあります」
そこで仕入れた紙おむつを中国で転売すると、仕入れ値の2倍近い165元(約3000円)程度で売れるというが、別の中国人バイヤーは「薄利多売だ」とこぼす。
「中国への送料は、コンテナでまとめて送っても1パック当たり600円ほどかかり、中国税関でも100~200円の税金を取られるから意外とコストがかかる。その他の諸費用まで考えると利益は1パックで200円程度。だから大量に捌く必要があって、ウチの場合は毎月3万パックくらい中国に送っているよ」
なお、このバイヤーに買い占めの是非を聞くと、「日本人が買えないのは残念だと思うけど、中国人は利益で物事を見るからしょうがない」と平然と言い放った。
※SAPIO2015年1月号