世界に「ニッポンの恥」を拡散したあの号泣会見以降、野々村竜太郎・元兵庫県議(48)は世間にまったく姿を見せていない。
伝わってくるのは、兵庫県警による捜査内容だけだ。同県警は、野々村氏を今月中にも詐欺と虚偽公文書作成・同行使容疑で書類送検する方針だ。同氏はすでに2011年度から受け取った政務費1834万円を全額返済しており逮捕は見送られたが、県警はそのうち裏付けが取れた2百数十万円分のみを立件するという。
野々村氏は今どこで何をしているのか──捜査関係者らによれば、「大阪市内の実家で両親と一緒に暮らしている」という。
実家の集合住宅を訪ねたが、夜になっても遮光カーテンが窓を閉ざしており、インターフォンを鳴らしても応答はない。付近の住民がいう。
「買い物やらは全部ご高齢のお母様がやってらっしゃって、野々村さんはほとんど外に出てきません。私は11月に一度だけ、黒っぽいジャンパーにジーパン姿で外出する野々村さんと鉢合わせしました。帽子を深くかぶっとったけど、会見の時よりずいぶん太って見えました。目が合ったら、怯えたように大きなマスクで顔を隠してしまいましたわ」
野々村氏は任意の事情聴取ではわめき声を上げることもなく、素直に供述していたという。
「“過去に西宮市長選などで4回落選し、選挙費用でカネがなくなったから”と、カラ出張や金券不正購入の動機を語っていたようだ。今回の一件が発覚したとき、母親に厳しく叱責され、すぐに全額返したのも、母親にいわれたかららしい」(捜査関係者)
野々村氏は将来の不安も漏らしていた。
「“父親も病気がちやし、母親も80歳を超えている。僕が仕事するしかないけど、怖くてなかなか踏み切れない”とか“世間に顔を知られているからバイトもできない”などと打ち明けている。今は、わずかばかりの貯金と両親の年金で暮らしているようだ」(同前)
※週刊ポスト2014年12月26日号