国内

立正佼成会に集団的自衛権、靖国参拝、河野談話等の見解質す

 宗教と政治をめぐっては、これまでもさまざまなことが取り上げられてきた。だが、宗教団体自体が、現在の政治課題についてどう考えているかについて、報道されることは少ない。そこで本誌は、新宗教団体にアンケートを行ない、「本当の真意」に迫った。質問項目は以下の通りだ。

【質問項目】【1】「集団的自衛権の行使」について、賛成か反対か。【2】首相の「靖国神社参拝」について、賛成か反対か。【3】いわゆる「従軍慰安婦問題」について、「河野談話の見直し」に賛成か反対か。【4】「原発の再稼働」について、賛成か反対か。【5】「女性宮家創設」の皇室典範改正に、賛成か反対か。【6】消費増税についての見解。

 ここでは立正佼成会の回答を紹介する。

〈●設立年/1938年(昭和13年) ●代表者/庭野日鑛・会長 ●本部所在地/東京都杉並区和田 ●信者数/311万1644人〉

【1】【集団的自衛権の行使】反対です。人類の歴史を顧みるとき、諸国民の間での疑惑、不信そして猜疑によってしばしば戦争が引き起こされました。私たちは、武力と戦争では「国民の命と平和な暮らし」を守れないことを学んだはずです。真に平和と安全を構築するためには、寛容と互譲の精神で相手の違いを受け入れ、認め合い、信頼を醸成し、他者と共に生きる基盤を整備していかねばならないと考えます。

【2】【靖国神社参拝】反対です。慰霊自体には反対ではありませんが、公人の役職者の公式参拝が、宗教への国家権力の介入へと繋がり、「政教分離」の原則や「信教の自由」が脅かされることに繋がるのではないかと危機感を持っております。

【3】【河野談話の見直し】この件に関して、教団として特に見解等はございません。

【4】【原発の再稼働】原発の恩恵を受けてきた一方で、負の部分から目をそむけて依存度を高めてきた責任は、国民一人ひとりにあると認識しております。原子力発電によらない、真に豊かな社会を可能な限り速やかに実現するべく、より安全性の高い再生可能エネルギーの活用に人類の英知を結集していかなければなりません。そして、私たち一人ひとりが「少欲知足(足るを知る)」の心を養い、エネルギー消費を拡大してきた価値観や生活スタイルを見直すことが大切であると考えます。

【5】【女性宮家創設】この件に関して、教団として特に見解等はございません。

【6】【消費増税】この件に関して、教団として特に見解等はございません。

※SAPIO2015年1月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン