今年で100週年を迎えた宝塚歌劇団。最近では、AKB48のメンバーが宝塚ファンを公言するなど、若い女性にも高い人気を誇る。「腐女子」(男性同士の友情や恋愛を描いた作品を愛好する女性)の中にも宝塚にハマる人は多く、それに伴い腐女子を卒業する女性が続出しているという。
1年前から宝塚にハマっている元腐女子のAさん(28歳)は、次のように語る。
「友達に誘われて宝塚劇場で観劇したのがきっかけです。初めて観たときには衝撃で涙が出ました。それまで自分はBL(ボーイズラブ)しか受け付けないと思っていたのですが、自分が本当に好きなのは“宝塚の世界”だと悟ったんです。
実生活で触れ合う“オトコ”よりもカッコイイ男役の方に胸を打たれた衝撃は忘れられませんね。今では宙組次期トップの朝夏まなとさんにゾッコン。男性アイドルだと、『どうせ可愛いアイドルと付き合っているんでしょ?』とか冷めた目で見てしまうけれど、宝塚の男役の人はそういう心配もない。
歌も踊りも完璧で、それでいて美しくカッコイイ。でも、他の女に取られることがない。それが自分の理想の世界だったと悟りました」(Aさん)
同じく宝塚ファンの元腐女子のBさん(30歳)は、次のように語る。
「元々は腐女子だったのですが、宝塚の真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんにハマってから“百合”(※女性同士の恋愛)の世界に関心が移ってBLを卒業しました。宝塚の魅力は、女の子が持っているファンタジーの世界を完璧に表現しているところ。
私の場合、『男女の生々しい恋愛は苦手』というところからBLの世界に魅力を感じた。そういうナマナマしさを排除しているという点では宝塚も同じ。とにかく美しい心で観られるんです」(Bさん)
日本が誇るエンターテインメントは、まだまだ新しいファンを生み出しているようだ。