安倍晋三政権のもと、国民には次から次へと負担増が押し付けられる。そして、安倍政権の看板政策も実態としてはシロアリ官僚たちの食い扶持になっているのが現状だ。「女性が輝ける社会」や「安定した雇用」も同じだ。
厚労省は便乗して職安の機能拡大を画策した。これまでにもニート対策が問題になれば「ヤングハローワーク」をつくり、管理職向けの「人材銀行」、パート主婦向けの「パートバンク」を設立してきたが、安倍政権下では「女性のライフステージに対応した活躍支援」と称してマザーズハローワーク事業の充実を打ち出している。
このマザーズハローワークは他の職安とどこが違うかといえば、「キッズコーナーという子供を遊ばせるスペースを作るなどしている。今後は拠点の数を増やし、スタッフも増員していく」(職業安定局首席職業指導官室)というだけなのだ。「女性を輝かせる」のではなく、新たなハコモノでシロアリが焼け太ろうとしているだけではないか。
「フリーター・ニート等の安定雇用への支援・職業的自立への支援」の名目でも95億円(今年度43億円)の予算が要求され、そこでも担い手はハローワークだ。権益が削られないように、どんどん自らの新しい仕事を創り出している。
※週刊ポスト2015年1月16・23日号