近年「食べログ」「ぐるなび」「Retty(レッティ)」など、ユーザーが写真付きでレビューをするような口コミグルメサイトが大きな影響力を持つようになった。ユーザーにとっては、自分が食事をするときの飲食店選びの参考になるが、その一方で店舗側にとっては、ネガティブな側面も出ているようだ。
ある口コミサイトの寿司店ランキングで高得点を誇る都内の某寿司店の店主は、次のように話す。
「一見さんや若い人が増えただけじゃなくて、当たり前のマナーを知らない客が増えたね。『うちのことどこで知ったの? インターネット?』って必ず聞くようにしているんだけど、だいたい『ネットで見ました』って言う。それで、一度来ただけで『俺はあそこの大将と懇意なんだ』と吹聴したり、口コミサイトに偉そうに感想を書いたりするんだよ。
こっちが寿司を出すテンポで食べずに、『出てくるのがはやい、お腹いっぱい、これは食べられない』と連れの男に話す女性客もいるよね。寿司を食べたいんじゃなくて、『サイトで高得点の店に来た』って人様に言いたいだけなんなんじゃないかな」
同じく、グルメサイトで高得点となっている都内の某高級寿司店の店主も、最近の客のマナーについて苦言を呈する。
「ケータイのカメラだけじゃなくて、一眼レフを持参して一貫ずつ時間をかけて写真を撮るお客さんが増えました。別にうちの店は撮影を禁止しているわけではないのですが、こちらとしてはすぐに食べて欲しいと思っています。それでも、自分が満足いくまで写真を撮っているので、カシャカシャと音が店内に響いていることもありますね。
先日は、同時に何組かのお客様が寿司の写真を撮っていました。後でネットを見ると、お客様が一眼で撮影したキレイな写真と、レビューが書いてある(笑い)。こちらは何も言いませんが、一番美味しいタイミングで食べていただきたいな、と思いますね」