9月には御嶽山が突如噴火し、死者57名、行方不明者6名という大惨事をもたらしたが、近頃、噴火が懸念されているのは富士山だと言われている。
「最近いちばん気になるのは富士山の噴火です。すでにふもとにあたる富士宮市で突然地下水が噴き出す異常湧水が発生しています。山梨県から富士山を上る滝沢林道は300mにわたり道路が崩壊。それらはマグマが上昇してきたことを間接的に示しています」
そう話すのは、琉球大学名誉教授の木村政昭さん。木村さんは、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山の噴火を「2013年±4年」と2013年に予測して、昨年の噴火を的中させたことで注目を集める学者だ。木村さんによると、火山性微動が急激に増加する“噴火の目”を解析したところ、富士山の噴火は「2014年±5年」だという。富士山は現在、気象庁の警戒レベルは「1」だが、噴火前の御嶽山の警戒レベルも「1」だった。富士山の噴火は充分ありうる。
「±5年というのは誤差の範囲内なので、今年噴火してもおかしくない状況です」(木村さん)
内閣府の富士山ハザードマップ検討委員会の想定によれば、富士山が噴火した場合、噴石等の直撃による死者数は最大1万3000人にのぼり、100km以上離れた東京にも2~10cmほどの火山灰が降り積もる。溶岩や火山灰によって通行不能となる道路は合計1万4600km。1日あたり515便の飛行機が運航停止になる。その被害総額は実に2兆5000億円にも及ぶ。
「富士山だけではなく、関東では浅間山、西日本では桜島、阿蘇山、霧島なども危険な状態です。山頂を上から見ると、マグマの突き上げにより火口底が上昇していることが確認できます」(木村さん)
※女性セブン2015年2月5日号