2月3日の節分に縁起のいい方角に向かって太巻きを食べると、福を呼び込むとされる恵方巻。今や豆まきと同じくらい節分の行事として定着しつつある。
「これは、その年の福を巻き込む思いで作った太巻きを、縁を切らないよう丸かじりして、願いごとをするようになったといわれています」(和文化研究家・三浦康子さん)
1989年に『セブン-イレブン』が広島県の一部の店舗で“恵方巻”として販売。それをきっかけとして全国に広まり、今や各コンビニやスーパー、百貨店で販売され、節分の風物詩としてすっかりおなじみになったとされている。なかに入っている具材といえば、厚焼き卵、かんぴょう、しいたけなどが主流だが、最近は、プレミアム感のある贅沢な食材を使ったものを好む人が増えているという。
「年に1度、食べるなら、少しでもおいしいものを食べたいというニーズがあります。そのためここ最近は、値段が多少高くても、良質な卵に定評のある『都路たまご』の卵や2度蒸し後、香ばしく焼き上げたあなごを使用するなど、産地のみならず素材の良さを引き出すことに力を入れているんです」(セブン-イレブン広報担当者)
確かに今年の恵方巻事情を調べてみると、どこも贅沢な素材を使った高級感あるラインナップがずらり。たとえば、ローソンの『極上海鮮恵方巻』(980円)は、7種類の具には車えび、数の子、ずわいがに、キングサーモンといった高級厳選食材を贅沢に使用。のりは京都府の音羽山清水寺で厄除開運の祈祷をされたもの使っている。
変わったところでは、無添くら寿司の『まるごといわし巻』(378円)。いわしの頭といえば、鬼除けとして節分に、玄関に飾る風習もあるほどだが、その真いわしを丸ごと一本焼いて恵方巻にしたなんともインパクト大な一品。北海道釧路産の大きいサイズだが、中骨抜きでやわらかく、食べやすい。
そして、最高級の恵方巻きがキッチンスギモトの『松阪牛ステーキと黒毛和牛ローストビーフの恵方巻』(1万2960円)だ。霜降り松阪牛ステーキ約400gと黒毛和牛ローストビーフ約200gを贅沢に使用。昨年の最高額1万1550円を上回る超豪華な恵方巻だ。
※女性セブン2015年2月5日号