1972年に仏「国民戦線」(FN)を創設したジャン=マリー・ル・ペン氏。移民排斥、反EUなどを主張する同党は2014年欧州議会選(フランス)で24議席を獲得するなど大躍進している。同氏は、フランスの人口の3割近くを占めつつあるムスリム移民に危機感を募らせ、こう語る。
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モントルイユ(パリ郊外)のマリ移民は、バマコ(マリの首都)に次ぐ大きなコミュニティーを持っている。彼らにしてみれば、同じ人種で同じ言葉を話すため、仏に適応することなく、共同体を作り上げることができる。こうなると、同じ国の中で、構造的な危機を抱え込むことになる。
さらに、イスラム化現象は、仏国内で止むことを知らない。私は、こう思う。
殺戮を繰り返すテロリストに、ムスリム移民は最終的に降伏し、テロに協力することになるのではないか、と。なぜならテロリストは人々を簡単に殺すため、降伏するか殺されるかの選択になるからである。今日の仏社会は、基本的安全さえも侵されている。
日本の現状は、まだ仏とは比較できない。人口1億2500万人のうち、外国人移民が200万人。私は1992年(小誌1992年5月28日号)、日本が仏のように移民を大量に招くことを反対した。いま一度、やめた方がいいと進言したい。
2010年8月14日、靖国神社を訪問した。私は常に、ナシオン(国家)を念頭に置いている。それぞれの国における歴史やナシオンは侵されてはならない。ナシオンの下では、国の治安、自由、アイデンティティー、文化や言語は、永遠に守られていくべきなのだ。
●取材・構成/宮下洋一
※SAPIO2015年2月号