イスラム国による日本人人質事件では、日本政府は交渉も情報も外国頼みであることを露呈したが、政府内の足の引っ張り合いも起きていた。
もともと現地対策本部をどこに置くかを巡って、外務省がヨルダンを推したのに対し、警察庁の官邸出向組はイスラム国に複数のパイプを持つトルコにすべきと主張してさや当てを演じた。
結局ヨルダンに設置されたものの、外務省が同国に人質交換を働きかけたのに対し、トルコに本部を置くことを主張したグループからは「ヨルダンルートの人質交換はハードルが高い。いずれ行き詰まってこちらを頼ってくることになる」(警察庁外事部門)と見て別の動きをしていた。
どちらのルートでも、日本政府はイスラム国と直接コンタクトできなかったが、せめて協力態勢はとれなかったのか。
※週刊ポスト2015年2月13日号