国内

猟奇事件の精神鑑定 具体的な内容とチェックすべきポイント

 名古屋大学の女子大生による殺人事件、佐世保市の女子高生による同級生殺人事件など、「殺してみたかった」という動機による猟奇的な事件が後を絶たない。こういった事件が発生した際に、犯人たちの心理を測るために行われるのが精神鑑定だ。精神科医・西脇健三郎氏が精神鑑定についてこう説明する。

「精神鑑定とは、担当の検察官や裁判官が、容疑者になんらかの精神的な異常性を感じた場合に用いられます。刑法第39条では、《心神喪失者の行為は、罰しない》《心身耗弱者の行為は、その刑を軽減する》と定められています。これは“刑事責任能力”に関する条文です。精神鑑定は、容疑者に責任能力があるかどうか、つまり軽減せずに罰を与えるべきかどうかを判断するための大きな材料のひとつなんです」

 専門家の意見や資料をまとめると実際に行われている精神鑑定には、次のようなものがある。

・IQ(知能指数)テスト。
・図形を組み合わせ、注意力や観察力を測る。
・日本語や言葉遣いなどの文章問題。
・簡単な計算などの単純作業を繰り返しさせる。
・質問に3択で答える性格診断。
・実のなる木の絵を描かせ、人格を判断。
・山、田んぼ、道、家や木、人、動物などを1枚の絵に描き、性格特性を診断。

 これらに加え、血液検査や脳波測定、CTスキャン、MRI検査なども行われるという。

「結果だけを重視するのではなく、テストに取り組んでいる時の態度や表情、体の動かし方といったところまで細かくチェックしているんです」(前出・西脇氏)

 なかでも特に重要なのが、生い立ちや成育歴を、面談を通して確認していく作業だ。ある精神科医は次のように解説する。

「本人の主張だけではなく、家族や親戚など関係者にも話を聞く場合があります。精神状態というと、どうしても事件当時の状況ばかりに目が行きがちですが、心身状態の変遷は、子供時代からの長いスパンで見ることが大事なんです」

※女性セブン2015年2月19日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン