近年のカップうどんの中には、店で食べる本格うどんに近いレベルのものが少なくないという。B級グルメ探究家の柳生九兵衛さんが解説する。
「例えば麺。以前はお湯を注いでから短時間で麺を戻そうとしたため、薄くコシがなかった。現在は本来のうどんらしさを再現すべく、より太く、コシがあり、もちもちのしっかりとした食感を持つ麺の開発が進んでいます」
だしひとつとっても、昆布やかつおだしの割合を販売地域によって変えるなど、その土地に根ざした味わいを重視。ラーメンは特徴ある味を好む人が多いが、うどんは味に安定感を求める人が多いようだ。
定番の「きつね」うどんで、本当においしいのはどれか。2人の専門家と「女性セブン」の記者が食べ比べて麺、つゆ、具、バランスと項目ごとに5点満点で採点しました!
【審査員】
柳生九兵衛さん:B級グルメ探究家。昨年11月の本誌「袋めん」食べ比べに続いて参戦。ライフワークは新製品のチェック。
澤田美奈さん:「美奈のおしゃデリクッキング」主宰。「クックパッド料理教室」で3か月連続人気1位に輝く、注目の料理研究家。
女性セブン記者A子:振り返れば、初代「どん兵衛」「赤いきつね」から現在まで、カップうどんを食べ続けてきたR50記者。
■日清のどん兵衛 きつねうどん【東】
180円/日清食品
1976年発売のロングセラー。昨年8月から香り引き立つ「彩り七味」が添えられるようになった。「3層太ストレート製法」による太くてまっすぐな麺と、ふっくらとした揚げが特徴。「もちもちで、しっかりした麺、だしの旨みを吸った揚げが、抜群にいい。七味唐辛子が香りよく、入れると上品な仕上がりになる」(柳生さん)。
柳生→麺5、つゆ4.5、揚げ&具5、全体のバランス5
澤田→麺5、つゆ3.5、揚げ&具4.5、全体のバランス4
記者→麺5、つゆ4、揚げ&具5、全体のバランス4.5
合計55点
■赤いきつねうどん(東向け)
180円/東洋水産
1978年の発売以来リニューアルを重ね、昨年8月には、従来よりなめらかでコシと弾力のある太麺に進化。地域によって「だし」が違い、東向け、西向け、関西、北海道の4種類を揃える。「昔ながらの基本の味で、飽きのこない味だが可もなく不可もない」(澤田さん)。「ややかつおの風味が強い気はするが、バランスがよい」(柳生さん)。
柳生→麺3、つゆ3.5、揚げ&具4、全体のバランス4
澤田→麺4、つゆ3、揚げ&具3、全体のバランス3
記者→麺3.5、つゆ3、揚げ&具4、全体のバランス4
合計42点
■まる旨 きつねうどん
94円(編集部調べ。税込)/エースコック
昨年3月に発売したカップうどん。つるっとのどごしのいいなめらかな麺と、クセのない北海道産昆布を使用した和風つゆの組み合わせ。「つゆは甘みが強く、しょうゆの塩気がもう少しあったほうがいい。麺はうどんというよりカップラーメンに近いのが残念」(柳生さん)。
柳生→麺2.5、つゆ2.5、揚げ&具3.5、全体のバランス3.5
澤田→麺3、つゆ3、揚げ&具3、全体のバランス3.5
記者→麺3、つゆ3.5、揚げ&具3、全体のバランス3.5
合計37.5点
※女性セブン2015年2月19日号