受験シーズンまっただ中。最近では学生たちの将来の選択肢を広げるべく「手に職がつく大学」も増えている。そんな個性派大学のひとつとして、サツマイモから育てて焼酎を手造りしているのが、鹿児島大学の農学部・焼酎学コースだ。
「この焼酎は青臭い匂いがして水っぽい」
「こっちはふくよかな印象」
こちらは、並んだグラスに注がれた焼酎の香りを嗅ぎ、口に含んで表現する利き酒の授業のひとコマ。農学部3年生から専攻できる焼酎学コースの学生たちだ。
蒸したサツマイモの甘い香りが漂う建物内で、「焼酎製造学」や「醸造微生物学」「焼酎文化学」などの授業を通して焼酎や発酵食品について専門的に学ぶ。
また実習の授業では、焼酎の製造工程をマスターするためにサツマイモを苗から育てることも。
「学生はすべての工程を手作業で行なって、1人1つの焼酎を仕込んで造ります」(吉﨑由美子助教)
手触りや味、香りを直接確認して、体験しながら醸造の過程を学んでいく。
撮影■佐藤敏和
※週刊ポスト2015年2月20日号