国内

美術品の修復を専門的に学べる学科が東北芸術工科大学に存在

美術品の修復を専門的に学べる東北芸術工科大学

 受験シーズンまっただ中。最近では学生たちの将来の選択肢を広げるべく「手に職がつく大学」も増えている。そんな個性派大学のひとつとして、美術品の修復を専門的に学べるのが、東北芸術工科大学芸術学部の文化財保存修復学科だ。

 研究室にはレントゲン装置やX線回析装置、実体顕微鏡などが並び、芸術学部らしからぬ雰囲気が漂う。

「修復が必要な文化財はレントゲンで内部の状態を把握し、実体顕微鏡で表面の付着物などを確認、同時に科学分析にかけ素材や使われている塗料を特定することから始まります」(藤原徹学科長)

 破損箇所や原因を突き止めることで、修復方法が決まる。ひと口に修復といっても、全く同じ素材を使って元通りの形にするわけではない。

「後世のために修復箇所がきちんとわかるようにする必要があるのです。史料としての価値を守りながら、展示公開できるように必要最小限の処置を模索します」(同前)

 大学に付属の文化財保存修復研究センターがあるため、全国の美術館から修復が必要な文化財が集まってくる。それらの絵画や銅像などの修復作業を手伝いながら技術を身につけていく。

 博物館や美術館に就職する学生が多いが、中には科学分析の経験を生かして、警察の科学捜査研究所に就職する学生もいる。

撮影■藤岡雅樹

※週刊ポスト2015年2月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
警視庁が押収した車両=9日、東京都江東区(時事通信フォト)
《”アルヴェル”が人気》盗難車のナンバープレート付け替えで整備会社の社長逮捕 違法な「ニコイチ」高級改造車を買い求める人たちの事情
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン