この春、各テレビ局では大きな改変が目立つ。めまぐるしい4月改編で各局のキーになるのが「情報番組」だ。なかでも大勝負を仕掛けるのが長く低迷が続くフジテレビ。本誌既報どおり、15年間にわたって『スーパーニュース』(月~金・夕方4時50分~)のメインキャスターを務めた「報道の女王」こと安藤優子(56)を平日午後に新設するワイドショーに移動させる。
この時間帯は、宮根誠司(51)が司会を務める日本テレビ系の『情報ライブ ミヤネ屋』(月~金・昼1時55分~)が独走を続ける。その牙城を崩すべく、フジは安藤と高橋克実(53)のW司会で勝負に出る。
新番組名は『直撃LIVE グッディ!』(月~金・昼1時55分~3時50分)に決定。ライバルの『情報ライブ ミヤネ屋』と語呂が似ているのは偶然だろうか。フジ社員の鼻息は荒い。
「TBSの『ひるおび!』が視聴率を伸ばしたように、大きなニュースが相次ぐ最近は、臨機応変に社会ネタを織り交ぜる生放送の重要性が増している。フジの改編は朝の『めざましテレビ』から19時のバラエティ枠までのほとんどを生放送でつなぎ、各番組に勢いをつける狙いがある。社運をかけた総力戦です。
安藤さんが抜けた『スーパーニュース』は、安定感のある伊藤利尋アナ(42)がメインMCの予定。同僚の中村光宏アナ(30)と結婚したばかりの生野陽子アナ(30)と現場の評価が高い椿原慶子アナ(29)が脇を固める」
そう聞くと威勢がいいが、現場はてんやわんやの大混乱だという。フジテレビ関係者が明かす。
「鳴り物入りの『グッディ!』に広大なスタッフルームが確保され、他の報道・情報番組のスペースが大幅に縮小した。背中同士がぶつかるほどの狭さにスタッフからクレームが殺到しています。
それなのに肝心の『グッディ!』はスタッフ集めに苦労しており、ディレクターからアシスタントまで総動員で業界の人間に連絡し、ギャラアップを提示して必死に人をかき集めている。100人規模が必要なのに現時点では約50人しか確保できていません」
混乱が続く状況に別のフジ社員からは、「戦争末期の旧日本軍はこんな感じだったんだろうね……」との声まで聞こえる。戦況はまだ好転していない。
※週刊ポスト2015年2月27日号