人口約650万人の小国・ラオス。中国との国境の街ボーテンにある経済特区では中国企業が大挙し、カジノを中心とした一大歓楽街を建設した。中国国内で賭博は違法のため、本土からギャンブル客が押しかけて治安が悪化した。
挙げ句、殺人事件の多発で2010年末にカジノが閉鎖されると、中国人は潮が引くように消え、最盛期に1万人以上の中国人が暮らしていた街は瞬く間にゴーストタウンになった。首都ビエンチャンの旅行会社で働くラオス人が嘆く。
「奴らは短期間で乱開発し都合が悪くなるとさっさと逃げる。国力の弱いラオスを馬鹿にしているとしか思えないが、中国に経済を完全に握られているのでどうしようもない」
※SAPIO2015年3月号