国際情報

南京大虐殺の百人斬り報道 戦意高揚のための明らかなホラ話

 戦後70周年を迎える今年、中国はあの手この手で日本に歴史戦を仕掛けてくるだろう。しかし恐れる必要はない。ここに並べた最低限の知識さえあれば、中国が喧伝するデマなどあっさり論破できる。

 中国のウソの中で「最大のヒット作」(評論家・黄文雄氏)が南京大虐殺だ。

 中国は、1937年12月13日に日本軍が中華民国の首都南京を占領後、6週間以内に30万人以上もの中国人を殺害したと主張するが、当時の南京の人口は20万人しかいなかったうえ、虐殺報道で証拠とされた写真も加工や事実と異なる点が認められた。

 デタラメぶりは、南京大虐殺の象徴とされる逸話「百人斬り競争」でも示される。

 南京攻略の最中、陸軍の野田毅少尉と向井敏明少尉のどちらが先に百人斬るか競ったという記事が1937年11月から計4回にわたり、東京日日新聞(現・毎日新聞)に掲載された。

 紫金山麓攻略戦中に「百六対百五」という「超記録」を叩き出し、さらに百五十人斬り競争を始めたという荒唐無稽な内容だった。しかし、中国はこの記事を最大限に活用した。明星大学戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏がいう。

「抗日プロパガンダのため日本軍の暴行を探していた国民党国際宣伝処の曾虚白は百人斬りの記事を見つけて、『敵のほうが直ちにこれに応じ〝事実を〟提供してくれた』と小躍りした。件の記事は今も残虐な日本軍の象徴として、中国の南京大虐殺記念館にパネル展示されています」

 ところが、である。

「向井少尉は歩兵砲の小隊長であり、野田少尉は大隊長と共に行動する副官のため、前線で敵兵と相対する任務ではありませんでした。そもそも日本刀で生身の人間を百人斬ることなどできない。状況から見て百人斬りは実現不可能であり、戦意高揚のためのホラ話であることは明らかです」(勝岡氏)

 1947年9月、向井少尉らは中国当局に突如逮捕され、南京戦犯裁判で即日死刑判決が出た。朝日新聞の慰安婦報道然り、メディアの責任は重い。

※SAPIO2015年3月号

関連キーワード

トピックス

希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
NASAが発表したアルテミス計画の宇宙服のデザイン(写真=AP/AFLO)
《日本人が月に降り立つ日は間近》月面探査最前線、JAXA「SLIM」とNASA「アルテミス計画」で日本の存在感が増大 インドとの共同計画や一般企業の取り組みも
週刊ポスト
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト