2月22日に開催された「東京マラソン」では、テロを警戒して「ランニングポリス」が初めて導入された。2人1組の警察官ペアを配置し、計64人が交代でランナーに伴走して警戒に当たった。
各ランニングポリスの帽子にはカメラが着けられ、リアルタイムで送られてくる映像を警備本部がチェック。実際のテロを警戒してというよりも、今回は実地訓練の趣が強いものだったが、42.195キロを完璧に警備するのは難しい。
「ローンウルフ(一匹狼型テロリスト)はそうした警戒が薄くなりがちで目立つスポーツイベントやライブなどを狙ってくる」(公安関係者)が、もし起きれば一般人に大きな被害が出かねない。
米軍関係者によれば、日本でテロの発生確率が最も高いのは公共交通機関と分析しているという。
「電車やバスなどの交通機関は、簡単に爆弾も持ち込め、おまけに常に乗客が絶えない。2005年、英国ロンドンで起きた同時連続爆破テロは、地下鉄3か所とバスを標的にして56人もの死者を出した。無防備な市民を大量殺傷するには交通機関が格好のターゲットだ」
イスラム国による日本人人質事件が発生して数日後、「警視庁から連絡を受けた」という都内の警備会社幹部の話だ。
「詳細は話せませんが、連絡後、会社が警備を請け負う駅に設置されたゴミ箱内を確認する巡回の数を増やしました。ある首都圏の私鉄では人質事件後、車内の忘れ物に関する注意喚起のアナウンス回数を増やしたと聞いています」
※週刊ポスト2015年3月6日号