高視聴率を記録し続けているNHK連続テレビ小説『マッサン』が、いよいよ佳境を迎えている。2月5日には、番組開始以来最高となる視聴率24.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。クライマックスに向けて、さらなる更新が期待されている。同時に、主演のシャーロット・ケイト・フォックスの今後にも注目が集まっている。
シャーロットは、昨年『マッサン』のオーディションに応募。500人を超える激戦のなかから、ヒロインに選ばれた。昨年3月に初来日し、朝ドラの撮影に備えた。NHK関係者が話す。
「『マッサン』の高視聴率は、初の外国人ヒロインという意外性による点も大きいでしょう。それに、シャーロットの努力が実を結んだとも言えます。初めての土地で、単身奮闘する姿に視聴者も惹き付けられたのでしょう。日本語が日に日に上達するところも、日本人の心をくすぐったと思われます」
アメリカでほとんど実績のなかったシャーロットだが、主演した朝ドラ主演に高視聴率によって、日本では国民的な知名度を誇るまでになった。朝ドラ終了後の行く末に心配の声も上がっていたが、ブロードウェイミュージカル『シカゴ』での主演が決定。今年10月からニューヨークのブロードウェイ・アンバサダー劇場で公演を行い、12月には日本公演もある。来日公演を制作するTBSとキョードー東京が出演を打診した。同舞台と、その後の彼女の活躍の予測について、テレビ局関係者が語る。
「彼女にとって、この舞台が日本で活躍できるかどうかのターニングポイントになるでしょう。朝ドラの高視聴率は、主演の力ももちろん大きいですが、ブランド力による部分もかなりある。舞台でお客さんを呼べれば、力があると業界でも認められ、さらにオファーが来るようになる。ただ、『シカゴ』が不発に終われば、その後日本でうまくいくか微妙になります」
現実的に考えれば、日本のドラマにおいて外国人の出番は少ない。今回の『マッサン』は見事にハマったが、シャーロットが次からも同じように活躍できるかは判断のつかないところだ。
「過去を振り返ると、1979年に『熱中時代・刑事編』(日本テレビ系)でブレイクしたものの、その後日本のドラマに馴染まなかったミッキー・マッケンジー(1982年に水谷豊と結婚、1986年に離婚)という女優がいました。彼女の二の舞にならないかという不安もありますね。
しかし、『マッサン』のようにスタッフに恵まれれば、シャーロットはうまく活きるはず。最近、低視聴率ドラマが溢れているのは、同じようなパターンが多いから。そう考えると、外国人のシャーロットは、使い方によっては日本の既存ドラマを打ち壊す希望の星という見方もできます」(同前)