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海外移住 現地の日本人会の縄張り意識が新参日本人苦しめる

経済的な理由で、海外移住が注目を集めている昨今。早期リタイヤをして、物価の安いなアジア諸国などに移住しようと考えている人も多いだろう。しかし、現実はそんなに甘くないらしい。

旅行代理店が主催する海外移住を見据えた体験ツアーなどもあるが、現地の良い面しか見せないため、実際に移住した人が生活に慣れることができず、とんぼ帰りしてくるケースも珍しくないという。

スーパーもある、物価も安い、にも関わらず生活に馴染めない一番の理由は日本人の仲間がいないという点に尽きるとか。やはり現地でコミュニケーションのとれる同朋がいなくては、生活もままならない……と思いきや、そんなに簡単な問題でもないようだ。東南アジア有数のビーチスポットとなっている観光地で暮らすAさんは言う。

「私も早期リタイアで海外移住したクチです。もう8年になりますが、最初は大変でしたよ。というのも、すでに現地で暮らしている日本人たちが縄張りを持っているんです。ここはビーチスポットですから、ダイビング会社や日本人向け旅行代理店などを営んでいる日本人が多かった。彼らは言葉巧みに近寄ってきて、新参者がどんな人物で、どれくらいお金を持っているか探ってくるんです」

古参たちが形成する『日本人会』なる組織は、新参者にとって良き理解者だとは限らないとAさんは断言する。

「お金を持っていると分かれば巧みに商売を吹っかけてきますし、知人が来たときはうちのお店を使ってよと斡旋まがいのことも要求してくる。さらに、自分のパイを取ろうとする者が現れると古参たちが団結して排除してくる。日本の閉鎖的な社会が嫌で海外移住を決めた私にとって、彼らは日本のどの村よりもムラ社会を形成している(笑)。

私は1年で彼らと絶縁し、今ではまったく交流を持っていません。なぜ海外にいるのに、向こう三軒両隣を気にしなければいけないんですか? 自立して生きていく覚悟がない人は、海外移住は厳しいと思いますよ。なれ合い大好きの日本人会が寄生してきますからね」

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