子供がいて、年齢的にももう立派な「大人」なのに、実家に帰省すればお小遣いをもらい、マイホームを購入するとなれば親に頭金を出してもらう…近年、大人になっても親の経済力に頼る人が急増している。そこで本誌は、子供がおり、両親が存命中の男女300人を対象にアンケート調査を実施。
すると、社会人になってから自分の親、もしくは配偶者の親から金銭的援助を受けたことがあるか、という質問に対し、48.3%もの人が「ある」と答えた。
武蔵大学社会学部の千田有紀教授は、お金を与える親には「ねらい」があると言う。
「最近は“仲良しべったり親子”が増えていて、双方とも親離れや子離れをしていません。子供に親への反抗心や独立心が少なく、社会に出ても『お小遣いをくれるならもらっておこう』という感じです。しかも少子高齢化が進むなか、親には、将来的に子供に面倒を見てもらいたいという“下心”もあり、一層子供に甘くなります。お金を渡すことで子供をつなぎとめておきたいのです」
本誌アンケートでは、親から援助を受けたことが「ない」と回答した人に、親からの援助をどう思うか質問した。
「大人として恥ずかしい」、「断るべき」という否定派は少数で、「悪いことではない」、「経済的な事情があるならやむを得ない」という肯定派が多かった。
しかし、子供への仕送りには意外な落とし穴があると前出・阿部准教授が言う。
「あまりに気前よく子供にお金を渡しすぎることで老後破産する高齢者が出てきています。自分の予測よりはるかに長く生きてしまい、生活費や医療費の工面に困ってしまう。子供が自分の介護など面倒を見てくれるとは限りませんので、充分に考えた方がいい」
スネをかじる方もかじられる方もほどほどがよさそうだ。
※女性セブン2015年3月26日号