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マクドナルドの経営 期限切れ鶏肉問題発覚前から深刻だった

 1971年の1号店オープン以来、ファストフードチェーンの代名詞的存在だったマクドナルドが危機的状況に陥っている。

 日本マクドナルドが3月9日に公表した2月の既存店売上高は前年同月比28.7%減。減少率は2001年の上場以来最悪だった1月の38.6%より改善したとはいえ、13か月連続のマイナスとなった。

 その原因を、昨年7月に発生した中国食品工場の使用期限切れ鶏肉問題や、年初に発覚した異物混入問題の影響に求める指摘は多いが、それだけでは説明できない。

 この2月までの利用客数は22か月連続の前年同月比実績割れ。期限切れ鶏肉や異物混入の前から「マック離れ」は続いていた。外食ジャーナリスト・中村芳平氏は、同社が抱える構造的な欠陥を指摘する。

「マクドナルドのビジネスモデルの柱のひとつは、フランチャイズ(FC)店からロイヤリティ(加盟料金)を安定的に集めるというものですが、そのためにFC店を闇雲に増やしてきたことが現在の客離れの原因と考えられます。

 創業者の藤田田氏は社員を育成したうえで“暖簾分け”の形でFC店を任せる方式をとってきたが、2003年に藤田氏が会長を退き(2004年に死去)、2005年に社長に原田泳幸氏(現ベネッセホールディングス会長)が就任して以降、効率優先で性急なFC店拡大路線になった。そのためオーナーが“促成栽培”になり、同社の強みだったサービスが低下した」

 原田時代には価格引き下げ競争で圧倒して「デフレの勝ち組」となったものの、「その好調によって、効率化追求のマイナス面が見過ごされた」(同前)というのは皮肉な結果だった。

 顧客層の設定にも迷走が見られる。FC店の拡大に邁進した2000年代後半は「サラリーマンのランチや喫茶店代わりの利用」も重視していたが、昨年8月の全店完全禁煙によって平日昼間に背広姿の客は激減した。

 そこに起きた期限切れ鶏肉問題で子供連れの主婦層からも敬遠され、まさに泣きっ面に蜂となった。

※週刊ポスト2015年3月27日号

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