今年の春節(=中国の旧正月。2月18~24日)、各種メディアが日本に押し寄せた中国人観光客が日本の各地で“爆買い”する様子を多数報じたため、その盛況ぶりが多くの人の印象に残ったことだろう。そして、来る花見シーズンにも再び中国人が大量来日するとみられている。
航空便もすでに満杯の状態で、中国の格安航空会社・春秋航空の広報担当者は「3月末から4月中旬にかけての稼働率は97%にのぼる」と語った。
「当社では3月29日から、中国内陸都市と関西国際空港などを結ぶ5路線を新設します。花見で旅行者が増えるタイミングに合わせた就航です」(同前)
通常であればサーチャージ込みで1万円台の運賃も、花見のシーズンの便では6万円近くなるという。
中国では4月5日(今年の場合)が「清明節」と呼ばれる祝日にあたり、先祖の墓参りをする日とされてきた。今年は4月4日から6日が3連休になる。
「3月末から休みを取って4月6日前後に帰国する日本行きのツアーが大人気で、キャンセル待ちが出ている状態です」(上海市内の旅行代理店スタッフ)
中国にも顧村公園(上海)など桜で有名なスポットはあるが、それでも日本ツアーが人気の理由については、
「日本の桜は咲き方が見事だと評判です。もちろん花見のついでに秋葉原や銀座で買い物できることも大きい。また、中国での花見では弁当を食べるだけのことが多いが、酒を飲んで盛り上がる日本のスタイルも魅力になっている」(同前)とする。
名所観光、飲食、買い物という中国人が好む組み合わせが「花見ツアー」というわけだ。
※週刊ポスト2015年3月27日号