3月14日、福井県勝山市で教え子の菅原みわさん(享年25)を殺害したとして逮捕されたのは、福井大学大学院の准教授・前園奉徳容疑者(42才)だった。12日の早朝、菅原さんの車内で、前園容疑者が彼女の首を絞殺したものとみられている。
前園容疑者は東京大学大学院を卒業後、赤とんぼの研究の第一人者として活躍。その後、大学院時代の同級生と結婚し、2人の子を持つ父親でもあった。2009年に東邦大学理学部の非常勤講師になると、勝山市にフィールドを移し、赤とんぼの研究をするようになった。そして、2011年になると、前園容疑者の傍らには赤とんぼを熱心に研究する菅原さんの姿がいつも見られるようになった。
勝山市の住民からは、「普通に朝、彼女が前園先生の家から出てくるんですよ」とその親密ぶりも聞こえてきた。だが、親密すぎる関係ゆえか、ふたりは衝突することも増えていったという。彼女はフェイスブックでこう綴っている。
《何度怒られ、何度泣いたことか…。あまりの言われように、千葉に帰りたくなったこともしばしば…》
当時のことを知る知人もこう語る。
「けんかすることはよくありましたね。“もうわかってるって言ってんでしょ!”とか、“アタシだって先生のためにやってるんだよ!”とか、電話で前園先生とやり合っているのを聞いたことがあります。ただ、教授と学生がこんな口調で話している時点で、ただならぬ関係なんだろうということは感じていました…」
そして2013年になると、彼女のフェイスブックに、こんな単語が登場するようになる。
《昨日は魔王様のおつかいで谷津干潟へ》
《いきなり魔王様から『明日までに環境教育学会の口頭発表の申し込みをしろ。書類チェックするからさっさと送れ。』とご連絡をいただいた》
ついには、憧れの先生を“魔王様”と呼ぶまでになったふたりの関係。それでも菅原さんは、彼から離れようとはしなかった。
「“やっぱり先生がいなかったら、今の私はいないから”って言っていました。それに、現実問題として、とんぼの研究は彼女一人ではできませんからね…。いつの間にか、関係は修復されていましたよ」(前出・菅原さんの知人)
2014年初頭に再び接近したふたりは、以後、前園容疑者の妻が作ったというお揃いのTシャツを着て研究発表に臨むこともあった。
「勝山市内のある小学校で、ふたりが環境保護に関する講演をした時のことなんですが、児童たちが“先生と奥さんはいつから一緒に活動しているんですか?”なんて質問するんですよ。子供たちからすれば、それくらい自然な夫婦に見えたんです。いまだに、テレビでふたりが映るたびに、夫婦だと思って見ている児童がいるくらいです」(勝山市のある学校関係者)
そして2014年末、菅原さんは前園容疑者を追いかけるように勝山市に移住することになる。在学する東邦大学の大学院を休学しての、一大決心だった。勝山市内のマンションでひとり暮らしを始めた菅原さん。彼女のマンション近くの焼き鳥店では、こんな姿も。
「今年に入ってから先生がちょくちょくやってきては、ふたり分ぐらいの焼き鳥をテイクアウトしていくようになったんです。彼女に持っていってあげていたのかなぁ…」(同店店主)
※女性セブン2015年4月2日号