かつての「優等生」から「不良横綱」への豹変を批判するマスコミに対する沈黙、他部屋力士の土俵上での振る舞いに対して「吠えるな!」との叱責……横綱としての品格が問題視されている白鵬に対し、3月23日発売の週刊ポスト(4月3日号)で、幕内優勝24回を誇る元横綱・北の湖理事長が見解を述べている。
協会は白鵬についてある悩みの種を抱えている。「一代年寄」問題だ。白鵬には前人未到の記録を打ち立て、「年寄・白鵬」を襲名したいという思いがあるとされている。
「現在の協会の規定では日本国籍でないと親方にはなれないが、白鵬はモンゴル人のまま親方になりたいという気持ちが強い。一代年寄には横綱での優勝回数20回以上という目安があるが、白鵬の実績は文句のつけようがない。それでもさらなる大記録を作り、特例を認めさせようと躍起になっているのです。しかし肝心の“国籍条項”が変更される気配はなく、白鵬のイライラが募っている」(相撲ジャーナリスト)
一代年寄問題について、北の湖理事長は以前にも「特例は認めない」と語ってきた。その思いは変わらないのか。改めて聞いた。
──一代年寄はやはりモンゴル国籍のままでは取得できないか。
「ダメダメ。一代でも何でも、年寄なのだから日本国籍を有する者と決められている」
──白鵬のように実績を重ねても無理なのか。
「どんなに実績があっても、これは規則です。相撲は日本国の伝統ある国技ですからね。ダメなものはダメ。日本の伝統は曲げられませんからね」
この問題では理事長は白鵬の前に大きく立ちはだかって動かない。なお、同誌は北の湖親方に「白鵬の品格」を問うたほか、貴乃花親方にも白鵬問題について直撃している。