進学を希望する高校生のすべてがどこかの大学に入れる「大学全入時代」が到来し、大学側は「こども」「グローバル」「国際」といった名前を冠した学部を設置して、学生集めに躍起となっている。
ネーミング大賞を進呈したくなるのが、広島県広島市にある鈴峯女子短期大学の「言語文化情報学科日本語日本文化(^^)コース」である。念のためだが、「(^^)」は「ニコニコ」と読む。若者がメールやSNSで感情表現として使う「顔文字」の代表格だが、さすがに最高学府の学科名に使われると違和感たっぷりだ。2012年にはこの学部名がネットニュースで報じられ、ネットユーザーの間で大いに話題となった。同学入試広報センター長の長谷信夫教授が説明する。
「たくさんの言葉を並べて説明するよりも、ニコニコの顔文字が私たちのコースの新しさと楽しさを伝えてくれると信じています」
同学科の「言葉のゼミ」では、堅い内容の新著を読んで学生にディスカッションさせることで言葉の発達を促しているという。
ただし、あまりに奇抜な名前からか、100人の定員に大きく満たない入学者しかおらず、今年の卒業生はわずか7人。学内からも「履歴書に学科名を書きにくい」などの逆風があり、同学科は今春で閉鎖されることが決まっている。
※週刊ポスト2015年4月3日号