ここ数年、保湿などの機能面がアップしたティッシュペーパーが注目される中、美しさという新アプローチを加えて話題となっているのが『十二単ティッシュ』(1箱144組〈288枚〉)だ。2014年3月に発売開始。1万円という超高額にもかかわらず、月に50箱、累計600箱をも販売しているという。その特徴は、鮮やかな12色のティッシュペーパーがキレイに折りたたまれ、箱詰めされていること。
「いにしえの人々が日々のコーディネートで楽しんでいた“かさねの色目”といわれる色合わせの最たるものが“十二単”です。私たちに脈々と受け継がれる色彩感覚に響くものを、現代の身近なもので表現したい、毎日の生活に色を愛でる楽しさや華やかさをお届けしたいと企画しました」
と、大昭和紙工産業の企画デザイン室・冨樫圭司さんは語る。
微妙な色合いを引き出すために、細心の注意をはらいながら、1色ごとに染色。箱詰めもすべて手作業で行っている。
「製品にかかわる者の汗と涙の結晶のたまものですから、1万円という金額設定に迷いはありませんでした」(前出・冨樫さん)
“十二単”は桜、緋、蘇芳、橘、菜の花、若緑、苗色、常盤緑、わすれな草、瑠璃、桔梗、藤の12色。引き出すごとに異なる色が現れ、お香のかおりがほのかに漂う。
肌触りはきめ細かく、しっとりやわらかで吸水性もあり、実用性も申し分ない。色移りすることもない。日常遣いのものに華やかさを加えることで、贅沢な気分になれる“十二単”。ここぞという日の贈り物としても有効だ。
※女性セブン2015年4月9・16日号