近年、専門学校が担っていた分野に大学が進出し、「アニメーション」「ファッション」「キャラクターデザイン」といった学部名やコース名を冠する大学が増えている。
こちらも専門学校の領域という印象の東京富士大学「経営学部イベントプロデュース学科」に取材した。須川一幸・教授が語る。
「日本国内ではたくさんのイベントがあり、市場規模は15兆円もあるのに、それを専門にする学科がありませんでした。実践を兼ね備えた学問の場として経営学部の中に当学科を設けました。イベントには様々な分野の知識が必要です。企画から実施、演出、法務、管理会計などの勉強に加え、実務まで経験させます」
学問の対象に値する新分野であるとの説明だ。大学名そのものに未来を冠する東京未来大学は、もともと専門学校を経営する学校法人が設立した。その看板学部に「モチベーション行動科学部」がある。
「今の社会では、人のモチベーションをコントロールして引っ張っていく人材が必要であり、当学園の経験と実績からそうした人材育成ができると考えて創設しました。組織心理学や産業心理学をベースに、人に教える、経営する力を学んでいく学部です」(広報課)
従来の経営学部やビジネス大学院で扱ってきた分野と特に変わらないようだが、名前はとても強く個性を発揮している。
※週刊ポスト2015年4月3日号