国際情報

中国軍 全長9600kmに及ぶ秘密地下核兵器貯蔵基地を建設中か

 中国人民解放軍が核兵器を貯蔵、運搬するための秘密の地下核兵器基地を建設していることが分かった。これは北京と地方10省の基地を結ぶもので、「軍の万里の長城」と呼ばれ全長で9600kmにも達し、中国建国70周年の2019年の完成を目指しているという。香港誌「争鳴」が報じた。

 この秘密の地下の核兵器貯蔵基地は北京を起点として、山西省太原市から陝西省天水市、四川省綿陽市、同省宜賓市、貴州省貴陽市、湖南省懐化市、湖北省石門市、河南省許昌市、山東省済寧市、河北省保定市を通って北京に戻るという巨大な環状基地。

 これらの地方都市はいずれも軍の拠点となっており、大きな部隊が駐屯していることが分かっているが、いずれの基地にも核兵器を扱う専門部隊である戦略ミサイル部隊が駐留しているのは間違いない。

 基地の深さは50mから180mまでまちまちで、1級道路(4車線)、2級鉄道線路(複線)、3級道路(2車線)などがトンネル状に建設されている。1992年2月に建設が決定され、1994年3月に着工。完成は当初、2020年に予定されていたが、建国70周年に間に合わせるため、2019年に変更された。総工費は5兆5000億元(約106兆円)。

 核兵器貯蔵のための秘密の地下基地については元米国防総省(ペンタゴン)の元高官で、ジョージタウン大教授のフィリップ・カーバー氏らの研究グループが2013年に米連邦議会の公聴会で証言した。

 カーバー氏らは2008年5月に発生し、6万人もの犠牲者を出した四川大地震で、白い防護服を着た中国人民解放軍の核技術者数千名が被災地に動員されたことや、被災地の地表の陥没状況などから、大規模なトンネルが存在し軍事秘密基地が建設されていることに気づいたという。これを裏付けるように、中国国防省機関紙「中国国防報」が翌2009年、戦略ミサイル部隊が中国北部の山岳地帯の地下で、核兵器を貯蔵する「大規模なトンネルを複数の地域で建設中」と報じていた。
 
 ただ、カーバー氏らはこれらの地下核基地の全長は総延長5000kmで、そこに3000発以上の核兵器を隠匿していると予測しており、同誌の報道の通り、全長が9600kmにも達するのならば、計算上は、少なくとも3000発の2倍の6000発の核兵器を隠していても不思議ではないことになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン