「ダイヤル、ダイヤル、ダイヤル、ダイヤル、まわして~!」のテーマソングでおなじみのTBSラジオ『全国こども電話相談室』。 子供たちの「なぜ?」「どうして?」に答えてきた番組が50年の歴史に幕を下ろした。
時には意表をつき、時には直球ストレートで回答者を悩ませてきた子供たちの名質問&名回答を紹介しよう。
──「この世で一番広いものは何ですか?」
恐竜博士でイラストレーターのヒサクニヒコ氏の説得力ある回答が光る。
「人間の脳がなければ、宇宙の広さとか時代の古さを考えることはできない。だから、人間の小さな脳が実は一番広いのです」
質問は多い時には月に1000件以上も届いた。約50年間に受け付けた質問や相談は実に50万件以上に達する。
1980年代から30年以上にわたって回答者を務めた気象予報士の森田正光氏は、「番組は回答者にとっても試練の場であった」と笑う。
「回答者は知識や教養を問われるので毎回、緊張しました。よく覚えているのは、『雨粒の数はいくつですか?』という質問。思いもよらない疑問で生放送中に返答できず、次回放送までの“宿題”にさせてもらいました。
その間に雨が降っている場所に小麦粉をふるったお盆を持参して駆け付け、雨粒でできた小麦粉のダマを一生懸命数えて答えました。『雨の境目はどこですか?』『雪という字にはなんで雨がついているの?』という質問も印象深い。
子供目線の質問に、別の視点から物事を見ることや発想を転換することの大切さを何度も教えられました」
まさに子供と大人の「真剣勝負」の場だった。
※週刊ポスト2015年4月10日号