春は野菜が美味しい季節。葉っぱの色がこうで、形がこんなので、茎がどうで…。そんな細かい点に気を配らなくても、高確率でおいしい野菜をゲットできる秘伝を「野菜博士」こと、東京都中央卸売市場の青果卸・東京青果の加藤宏一さんに聞きました。
「春野菜は冬に種を蒔き、寒い冬を乗り越えます。そして3月、4月ともなれば徐々に気温が上がり始め、日に日に太陽の恵みを受ける時間が長くなります。
そんな気象条件の中で成長した春野菜は、通常より甘く、栄養価はほうれん草であれば夏場の3倍以上、キャベツに至っては10倍以上という分析結果も出ているんです」
野菜にかかわって30年以上。加藤さんに、春野菜のさらなる“エリート”の見つけ方を伝授してもらった。
「野菜は見た目です。形の美しいものはうまいんですよ。よく“曲がったきゅうりもおいしい”なんて言いますが、野菜が曲がってしまうのは土の栄養バランスが偏っている。つまり育て方が悪いんです。名人が作ったきゅうりはどれもまっすぐです。その野菜のイメージに合った形を選ぶといいでしょう」
最後に、加藤流、新玉ねぎの見極め方をご紹介。
「一年中見かける茶色い皮の玉ねぎは出荷前に施設で乾燥させ、雑菌を処理しているため放置しても長持ちします。しかし、新玉ねぎは収穫したものをすぐに出荷するため雑菌がついたまま。放っておくとすぐに腐ってしまいます」
そのため商品の入れ替わりの激しい売れている店で買うべし。また、バラで売られていたら、切り口の下の“肩”の部分をさわって、硬くしまっているものを選んで。
※女性セブン2015年4月9日・16日号