アベノミクスによって株価および地価は上昇し、それにともない、マンションの値上がりも顕著となってきた。マンション投資のコンサルティングを手がけるサークフルエステートの古川國博氏は、マンション投資なら都心部の単身者向けワンルームマンションが有利だと指摘する。空室になりにくく、資産価値も下がらないからだという。では、具体的にどのような物件に投資すべきか、古川氏が解説する。
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私は、中古に注目すべきと考えています。新築物件の価格上昇によって、中古のワンルームマンションの価格も上昇しつつありますが、まだ、築年数がそれほど古くなく、値ごろ感のある中古物件は都心部には存在しています。
実は、他の“プロ”たちも”すでに中古ワンルームに注目しています。例えば、J-REITと呼ばれる不動産投資信託です。J-REITは、数多くの投資家から集めた資金で不動産投資を行ない、利益を投資家に還元するファンドですが、マンション投資を専門とするJ-REITが保有している物件は、23区内のワンルームマンションが圧倒的に多く、その内訳を見ると中古の物件が多くを占めているのです。
また、J-REITではありませんが、世界的に有名な米ブラックストーンという不動産系のファンドが、昨年11月に、200棟の賃貸マンションを1900億円超で購入しました。全部で約1万戸、1個あたりの平均価格は約1900万円になります。中古のワンルームが多くを占めていることは、想像に難くありません。こうした、プロのファンドマネージャーが、都心部の中古ワンルームマンションの購入に動いているのです。
都心エリアでリーズナブルな価格の中古ワンルームを探すことは、容易ではありません。サラリーマンやOLの方で、これからマンション投資をしようと考えている人であれば、まず、専門家のアドバイスを聞くべきでしょう。したがって、まずは、信頼できる専門家を探すことが大事になります。
マンションの仲介業者の一部には、高利回りという理由で、地方都市や都心部郊外の物件を薦めてくるところも少なくありません。そうした物件の中には、値下がりした結果、高利回りとなっているケースがほとんどです。また、残念ながら、売れ残った在庫物件を投資用として薦めてくることがあります。くれぐれも専門家選びは慎重にすべきでしょう。
※マネーポスト2015年春号