ずっと連れ添ってきた夫が突然変わってしまった――そんな時に現れた別のステキな男性。46才主婦はどのような行動を取ったのでしょうか。
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夫が、過労からうつ状態になって休職することに。昼間からお酒を飲むようになり、温和だった性格も激変。怒りっぽくなり、私に手をあげることもありました。
そんな夫と一日中顔を突き合わせているのがつらくなった時、夫と共通の趣味だった釣りの集まりで知りあったFさんが、相談に乗ってくれるようになりました。Fさんは私と同い年でバツイチ。リーダーシップがあり、それでいて話しやすい柔和な人でした。
「病気なのはわかるけど、奥さんを悲しませちゃいけない。せめて酒は控えようよ」
Fさんは真剣に夫を説得してくれましたが、夫は聞く耳を持たないどころか暴力は一層激しさを増しました。私は夫から逃げるようにFさんの所へ。悩みを聞いてもらうだけのつもりでしたが、知らず知らずのうちにFさんに惹かれている自分がいました。言いようのない罪悪感に気づかないふりをして…。
でもそんな時、Fさんから突然プロポーズされたのです。
「こんなに素敵な人を妻にしているのに、情けない旦那さんだ。ぼくならあなたを絶対に幸せにする」
Fさんの気持ちに気づいていなかったといえば嘘になります。でも、実際に彼の気持ちを聞いた私は、どうしていいのかわからずに実家へと帰ってしまいました。それから数日後、自宅へ戻ると、夫から1枚の封筒を渡されました。中を見ると、そこには記入済みの離婚届がありました。
「おれにお前はもったいない。あいつと一緒になれ」
夫の瞳には、うっすら涙が浮かんでいました。私はハンマーで殴られたような衝撃を受けました。いちばんつらい思いをしているのは夫なのに、その人を捨てようだなんて…。私はその場で離婚届を破り、夫にお酒を断って、もう一度やり直してほしいとお願いしました。
次の日から夫は変わりました。お酒をやめ、あんなに嫌がっていた薬ものみ、職場復帰を果たしました。Fさんに報告すると、残念そうな顔をしていましたが、夫の復帰を喜んでくれました。これからも夫を、支えていこうと思っています。 (46才・主婦)
※女性セブン2015年4月23日号