フィリピンで1万2660人を買春した横浜市立中学校の元校長・高島雄平容疑者(64)。今年1月にマニラ市内のホテルで少女にみだらな行為をし、その様子をデジタルカメラで撮影した児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で4月8日に逮捕された。
逮捕のきっかけは、高島容疑者が愛した国からもたらされた。
「フィリピン捜査当局から警察庁に『買春を重ねている日本人がいる』という情報が入りました。その後、神奈川県警が捜査を始め、昨年2月の家宅捜索で、14万枚以上に及ぶ女性の写真を整理した410冊のアルバムを押収しました」(捜査関係者)
買春の思い出を自宅に保管していた高島容疑者は、エリート教員の人生を歩んできた。妻との間に子供3人をもうけ、1975年に横浜市に採用されて理科の教師として教壇に立ち、2つの中学校で副校長、1つの中学校で校長を務めて教師生活を終えた。特筆すべきは1988年から1991年の3年間、マニラ日本人学校へ派遣されていたことだ。
「海外の日本人学校への派遣には、推薦を受けて試験を突破する必要があります。それをクリアしたのは優秀だったからですよ。昔から上昇志向が強かった」(元同僚教師)
だが、狭き門をくぐり抜けて訪れたフィリピンで彼の転落が始まった。
「高島容疑者はマニラ市エルミタ地区にある女性斡旋業者を使って女性をホテルに呼びつけていました。押収された写真の大半は、そのときに撮影されたものです。写真からは、少女を相手にしていたことも、一度に複数の女性を呼んでいたことも明らかです」(前出・捜査関係者)
フィリピンでは少女が売春に手を染めることが珍しくない。
「貧困層の少女がお金目的で自らこの仕事を求めます。店の側も若い女性が人気なのを知っていますから、身分証明書を偽造させて雇う。そうやってこの世界に足を踏み入れる少女の中には、1000ペソ(約3000円)で体を売る娘もいます」(東南アジアの裏社会事情に詳しいジャーナリストの丸山佑介氏)
高島容疑者は学校が長期休みに入るたびに自らも休暇を取得し、フィリピンに渡っていた。家族には「マングローブ植林のボランティアに行く」などと説明していたというが、そこで行なっていたことは性の搾取だった。
高島容疑者は2011年3月に定年退職し、その際には、約3000万円の退職金を受け取っている。報道によってこの事件を知ったという横浜市教育委員会は「今回の容疑は退職後の犯罪ですが、在職中にも違法行為を繰り返していたことがはっきりすれば、退職金の返還を求めていきます。現在は捜査の進展を見守っている」としている。
※週刊ポスト2015年5月1日号