表舞台から姿を消した小保方晴子氏。理化学研究所時代と変わらず今も神戸市内のマンションに住んでいるようだ。
「体調も精神状態も優れず、部屋に引きこもっている。千葉県の実家に移る気力もないようです。親御さんが時折様子を見に来ているようですが……」(小保方氏の知人)
こう聞くと悲劇のヒロインだが、客観的に見て彼女への処分は甘々だ。
STAP細胞研究のため支給された研究費は4600万円、不正が指摘されてからの調査・検証費用は8360万円に上る。にもかかわらず、理研が小保方氏に返還請求したのは論文投稿費のわずか60万円だ。血税を浪費しておきながら、説明責任すら果たさない幕引きである。
世間の怒りとは別に、小保方氏サイドも怒っている。小保方氏と彼女の弁護団は4月6日、NHKに対して、3月20日放送のニュースなどで「偏向報道がなされた」という趣旨の抗議書を提出した。
抗議文では、細胞が死ぬ際に発光する「自家蛍光」という現象をめぐって、〈報道は小保方氏が会見で虚偽を述べたかのような印象を与え、許容できない〉としている。
論文で数々の不正が明らかになっている今、この抗議に賛同する人は少ないように思われた。
しかし、小保方氏をバックアップしようという人々が現われた。その名も「小保方博士の不正な報道を追及する有志の会」である。同会はTwitter上で集った勝手連で、小保方氏はもちろんメンバー同士の面識すらほとんどないというが、その鼻息や荒い。
同会代表でフリージャーナリストの上田眞実氏がいう。
「NHKの報道は小保方博士ひとりに責任を押しつけようとする情報操作であり、重大な人権侵害です。すでに我々はNHKに公開質問状を送り、BPO(放送倫理・番組向上機構)に審理を申し立てています。
今後は毎日新聞記者の須田桃子氏の著作で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『捏造の科学者』(文藝春秋刊)の出版差し止め請求も考えている」
※週刊ポスト2015年5月8・15日号