投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が5月11日~5月15日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、環太平洋経済連携協定(TPP)の日米交渉が合意間近との期待感や、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や民間機関投資家による外貨建て資産投資増額期待などから強含みに推移すると予想される。円高要因としては、中東の地政学的リスクの緊迫化、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念などが挙げられる。
【環太平洋経済連携協定(TPP)協議】
TPPの日米2カ間協議は、米国議会での大統領に通商権限を一任する大統領貿易促進権限(TPA)法案審議の進展を受けて、合意間近との期待感が高まっている。TPPの日米交渉が合意に至った場合、ドル高・円安要因となる。
【米国債入札・償還・利払い】(12-15日)
米国債の入札は、12日(3年債)、13日(10年債)、14日(30年債)と予定されており、GPIFや民間機関投資家による外貨建て資産投資増額を受けて、積極的な応札が予想されており、ドル高・円安要因となる。
15日には米国債の償還・利払いが予定されており、円転ならば円買い圧力が強まるものの、再投資されることが予想されている。
【アジア開発銀行(ADB)の増資観測】
アジア開発銀行(ADB)は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に対抗するため、融資枠の拡大、増資の可能性を打ち出している。増資の場合、最大の出資国である日本からの資金拠出となり、円売り要因となる。
5月11日-15日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。