中国国家観光局は5月初旬、中国人旅行者の「非文明的」行為についてブラックリストを作成し、最高10年間保存することを決め、4人のブラックリスト掲載者を公表した。国内外で、旅客機内や列車で暴れたり、文化財を傷つけたりするなどの問題が多発し、中国のイメージダウンにつながっているためだ。
香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、10年間のブラックリスト入りが決まったうちの1人は「李」某。李は今年4月、陝西省延安市呉起県にある共産革命拠点で、女性の革命戦士の銅像に上り、その頭に坐って、写真撮影し、SNSに掲載するなどした。
ネット上で、「革命戦士を侮辱し、共産党を愚弄した」などと激しい批判が巻き起こり、今回のブラックリスト入りになった。
あとの3人はブラックリスト保存2年だが、このうちの2人は王某と張某。2人はともにバンコク発西安行きのタイ航空機に搭乗した際、キャビンアテンダント(CA)の態度が気にくわないとして、カップラーメンをぶちまけたり、爆弾を仕掛けて飛行機を爆発してやると脅すなどした。このため、同機はバンコクに戻ってしまうなどの被害を受けた。
最後の1人は周某で、1月初めに、旅客機に搭乗中、やはりCAの態度が気にいらないとして、非常用扉のハッチを開けてしまったという。
このブラックリストに入れられることで刑事罰を受けることは原則的にはないというものの、団体旅行のツアーに参加できなくなったり、航空券や汽車の乗車券の購買が断られることもある、と国家観光局の担当者は語っている。