画期的な大発明は、初めから正当な評価を得ていたとは限らない。今や世界中で使われ、米・TIME誌が選ぶ「2014年ベスト発明25」に入った「自撮り棒」も、日本のミノルタカメラ(現コニカミノルタ)が1983年に発売した時には「日本の珍発明」と嘲笑されたというからわからないものだ。
そんな常識を打ち破る新発想から生まれた日本のアイデア商品のひとつが、「石の自転車&三輪車」(自転車200万円、三輪車150万円。販売:山本石材店本店。注文は要問い合わせ)だ。
京都で明治35年創業の石材店店長の発明。「簡単には盗まれない重い自転車」を作ろうと、白と黒の御影石を使い200kgの自転車を完成。ところが重すぎてこげず、今度は120kgの三輪車を製作。自転車は店先のオブジェとなったが、店にはよいPRに。新しい自転車の構想を目下練っている。
たしかに簡単には盗まれないのは間違いない。将来、街中で石の自転車が走る日は来るのか?
撮影■WEST
※週刊ポスト2015年5月29日号