動物園や水族館の動物の値段は、生息数、入手の難易度、輸送の手間などによって決まる。動物輸入卸商の白輪剛史氏がこれまでの経験、取引実績などから「動物の相場」を教えてくれた。あの動物園・水族館のスター、仕入れ値はいくらなのか。ここでは、水族館で見かける動物について紹介する。
「ペンギン=1200万円」
中国や新興国で水族館の建築ラッシュが起き、価格が高騰している。コウテイペンギンに次ぐ大きさのキングペンギンは800万円。ただし、ケープペンギン(80万円)など、安い種類もある。
「カバ=600万円」
カバの皮膚は乾燥しやすく、こまめにクリームなどを塗って保護しなければならない。そのため輸送コストがかかり高額となる。見かけによらず凶暴で、人に慣れているカバは珍しく、テレビCM出演などでは1日80万円程度のギャラが支払われたケースも。
「イルカ=180万円」
水族館で調教済みだと600万円。ロシアから輸入されるシロイルカ(ベルーガ)は、ホッキョクグマ、シベリアトラと並ぶ同国の“3大動物資源”であり高額。
「シャチ=1億円」
シャチの捕獲は危険を伴い高額になる。輸送の際にも人がつきっきりで管理するためコストがかかる。
【注:『動物の値段 満員御礼』(白輪剛史著・角川文庫)をベースに、白輪氏や動物園関係者への取材をもとに価格を記した。取引内容によっては価格が大きく異なることがある。ワシントン条約の規制などで現在は取り引きされていない動物もあるが、過去の取引実績などをもとに記載したケースがある。輸入されることが多い動物については輸送コストを含む。金額は動物の対価として支払われるケースのほか、保護費用など寄付金の名目として支払われるものもある】
※週刊ポスト2015年6月5日号