投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の5月25日~5月29日の動きを振り返りつつ、6月1日~6月5日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。15年ぶりの高値水準を更新するなか、5月15日からの連騰は11まで伸びている。米早期利上げ観測の再燃によって円相場が円安に振れて推移するなか、週初に20400円を回復。25日の米国市場がメモリアルデーの祝日で休場となり、商いは膨らみづらい需給状況であったが、出遅れているセクターへの物色が強まっていた。その後も海外株安の流れを受けて利益確定の売りが先行する局面がみられたが、27日に20500円を回復し、28日には20655.33円まで上げ幅を拡大させている。
円相場は麻生太郎財務・金融相の過熱発言等を受けてやや円安基調が抑えられる局面もみられたが、急ピッチの値動きに対する当然の発言であり、地合いが変わることはなさそう。また、毎年夏にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウムに、今年はイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が参加しないことが明らかになった。利上げ開始のタイミングとも取れるため、9月のFOMCでの利上げ再開といったところであろう。
更に、今秋には日本郵政上場が控えており、需給変動が起きやすい時期でもある。このタイミングで日銀による追加緩和政策への思惑が高まりやすく、円安トレンドは継続。日経平均は過熱感というよりは買い疲れ感といったところであり、足元の調整では押し目拾いのスタンスを継続させたいところである。
今週は米国で雇用統計の発表が予定されており、それまでに発表される経済指標の結果に振らされる可能性がある。ギリシャ問題に対しても影響を受けやすいだろう。しかし、良好な需給状況の中、押し目待ちの買い意欲は強いであろう。また、日経平均の2000年高値が射程に入っており、これを意識したスタンスが強まりやすい。さらに、連騰記録が続く中、1986年3月以来の12連騰、1988年2月以来の13連騰、1961年1月以来の14連騰を目指す展開も意識されやすい。
また、6月から企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)が導入される。これは政府の成長戦略の一環として位置付けられており、「攻め」の経営判断を後押しする仕組みとして注目される。株主還元策に積極的な動きがみられるなか、株主総会を経て、投資家の期待感が再燃する可能性がある。また、6月に改訂される政府の成長戦略に対する思惑も高まりやすいだろう。そのため自動運転や次世代医療、女性の活躍、地方創生などに関連するテーマ株などへの循環物色も意識される。