ソフトバンク(SB)の松田宣浩は、その明るいキャラクターで人気がある。
「今年のチームスローガンは“熱男”ですが、そのシールをバットのグリップエンドに貼りつけて“松田熱男です!”などとナインを盛り上げている。敵を作らない気さくな性格で、先輩後輩問わず明るく接するので、メジャー帰りの松坂大輔でもイジることができる。選手会長を務め、チームリーダーとしての人望もあります」(SB担当記者)
もちろん実力も折り紙付きだ。李大浩と並んで11本はチームの本塁打王で、リーグでも日本ハムの中田翔に次いで2位(交流戦前までの数字)。
そんなホークスの主砲は、この交流戦ではセの各球団から熱い視線を送られている。昨年6月にFA権を取得した松田は今年が2年契約の最終年となり、オフにFA宣言をすると目されているからだ。
移籍先の最右翼といわれているのが巨人。SBに匹敵する資金力をもち、三塁を守る村田修一が今季絶不調ということもある。今すぐにでも欲しい存在だろうが、理由はそれだけではない。SBファンの間では2003年、SBから巨人に移籍した小久保裕紀との共通点が不安とともに囁かれている。
小久保は東都リーグ(青学大)で活躍した後にダイエー(当時)に入団し、ルーキーながら開幕スタメン。三塁手になってからは4番を長く務め、チームの主将でもあった。
一方の松田も東都リーグ(亜大)で活躍。SBに入団し、小久保以来となるルーキーで開幕スタメンを果たした。その小久保が電撃移籍した時の年齢が今の松田と同じ32歳なのである。
「王貞治会長のお気に入りだし、絶対に手放さないといわれていますが、王会長の秘蔵っ子と呼ばれた小久保もまさかの移籍だった。巨人は王会長との人脈を糸口に動くかもしれない」(前出の記者)
交流戦は松田の“見本市”となっている。
※週刊ポスト2015年6月12日号