JR東日本の東北、上越、北陸の各新幹線、東京メトロ、都営地下鉄は全線で運転を休止。70代の男女2人は東武伊勢崎線の駅構内で停止したエレベーターに1時間近くにわたって閉じ込められた──。
5月25日午後2時半頃に関東地方で発生した最大震度5弱(茨城県土浦市)の地震は、死者・負傷者こそ出なかったものの、一瞬にして都市機能を麻痺させた。
今回の地震について気象庁は会見で、「(地震後)1週間程度は余震が発生するおそれがある」と注意を促したのみ。ある地震学者は出演したテレビで、「東日本大震災の余震の一部」と繰り返した。
しかし、従来の地震学とは全く異なるアプローチによる「MEGA地震予測」(*注)を展開する民間会社JEASEA(地震科学探査機構)の顧問を務める東京大学名誉教授の村井俊治氏は、警鐘を鳴らす。
【*注:村井氏が、GPSデータをもとに「土地の微細な変動」を観測して行なう地震予測。1週間の間の上下動が4センチ超の場合は「警戒ライン」としている】
「地震発生後も関東地方にある危険な兆候は消えていません。これはさらなる大地震の予兆かもしれない」
村井氏の言葉には説得力がある。なぜなら、今回の地震も事前に本誌で予測し、的中させているからだ。
今回の地震の震源地は埼玉県北部で、最大震度5弱が観測されたのは茨城県土浦市だった。これらの地域は本誌4月27日発売号の「MEGA地震予測」の記事で示した「首都圏・東海警戒ゾーン」の北部に位置している。村井氏がいう。
「我々は震源地ではなく、あくまで“揺れの大きい(震度5以上の)地域”を予測している。土浦は指定したゾーンをかすめてはいるものの、的中とまではいいがたい」
村井氏の意見は慎重だが、驚くべきは前回記事で、村井氏が〈東京都・足立で2年ぶりに「4センチ超」の上下動の異常が観測された〉と指摘していたことだ。東京の東北部に位置する足立は、今回、最大震度を記録した茨城、震源地の埼玉、いずれにも近く、都内でも揺れの大きかった地域である。
それだけではない。村井氏は5月22日の奄美大島近海地震(最大震度5弱)も的中させた。前回記事では、前々回報道(2月16日発売号)まで九州南部に指定していた警戒ゾーンを南西諸島に移し、奄美大島、沖縄本島の電子基準点の変動に言及していた。
◆村井氏が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)では毎週水曜日にメルマガ『週刊MEGA地震予測』を月額216円で発行している。詳しくはhttp://www.jesea.co.jp/
※週刊ポスト2015年6月12日号